川上のゆず

萩市 川上地域には、昭和16年に国の天然記念物に指定を受けたユズの自生地があり、広く栽培されています。
川上のユズは、現在ある多くの改良品種と異なり、自生ゆずの種木を採取して接木した在来種のため、特に香りがよく、日持ちがするものなのです。


ゆずの効用

ユズは 健康・美容に効果があり、その香りには気持ちを和らげる精油成分が含まれているといわれます。( 花言葉 = 健康美 )
特に豊富に含まれるビタミンCは レモンの約3倍といわれ、抗酸化作用に優れ、血中コレステロールを下げ、風邪の予防、美肌効果にも 重要な役割をします。
またユズには、クエン酸やリンゴ酸などの有機酸が含まれており、疲労物質である乳酸の蓄積を押さえてくれます。
他にも 成人病予防、疲労回復、がんの抑制効果などがあります。


ゆずの自生地

 

川上地域の山林地帯はスギ・ヒノキの(檜・扁柏)造林地を除けばアラカシとシラカシを主体とする広葉樹林で、それらにまじって、いたる所にユズがあり、場所によっては、ユズも主要林木のひとつとなっています。
 殊に多いのは字遠谷金山と、字大浴とです。遠谷金山の自生地は曹洞宗福昌院の寺領で、20ないし30度の斜面のアラカシ林の間に、大小数10本のユズが混生し、大浴では、原生林中の絶壁上に群生し、果して何本あるかはわかりませんが、晩秋の候に果実が鮮黄色に熟してくると、満山に黄金を鏤めたかと、見紛うほど美しいものです。

 

もともとユズは楊子江上流の原産とされ、甘粛・雲南・西蔵などで採集されており、古くは柚といい、博物志(10巻・晋の張華が選述した)・紹興本草などにも記載されていますが、いつの間にか柚はサボン(ウテムラサキともいう)の名称とかわり、今では、浙江省ではユズを香橙とよんでいます。

わが国では延喜式(50巻・延長5年2月成る)や倭名抄(延長年間、源顕の著、和名類聚抄の略、20巻)・続日本記(六国史の1で40巻、文武天皇の元年から恒武天皇の延暦10年までの90年間の実録)・三代実録(六国史の1、源能有らが選述した清和・陽成・光孝三代の天安2年8月から仁和2年8月にいたる実録、50巻より成る)などには柚子として記述されているので、唐代あるいはそれ以前に渡来したものかと思われます。

 

両国本草(元文2年島田知庵編、長防長産物名寄)には古代中国と同じく柚もしており、1つにモチユとも云うと述べていますが、わが国にも原生地があり、そのうち本村のユズについては中井猛之進博士は「四囲の植生状態と、この地域の沿革から推論して、野生化でなくし原生である。」と言明しておられ、日野 巌博士も「ユズは鳥獣が食してこれを分布するわけではないし、また、ここのは人の移植したものでもないから、自生であることは明らかである。」と大鼓判を押されました。


ゆずの保存法

1.貯蔵
①.傷のついていないものを桧(ひのき)の葉にくるみ、冷暗室にて貯蔵します。
②.ビニール袋に入れて冷蔵庫に保存します。

 

 

2.冷凍
①.ゆずの黄色い部分をうすくむきとります。
②.適量ずつサランラップにくるみ、冷凍室に入れておきます。

 

 

3.乾繰
 ゆず皮を千切りにして太陽光線でよく干します。

 

 

4.塩漬
 〇材料 ゆず 1ケ  塩水(30%)
①.1ヶのゆずをそのまま漬ける場合。

 

②.皮のみ千切りにして漬ける場合。
 塩水30%で軽い重石をしておきます。
※ゆずは水にもどすだけでそのまま使用できます。


ゆずの利用法(お婆ちゃんの知恵袋)

奥さん
「先日、たくさんのゆずを頂いたのですが、皮を少しづつ切って、吸物などに入れましたが、香がいいので、もっと他にゆずを利用したいのですが、何かおしえてお婆ちゃん!」

 

お婆ちゃん
「ゆずちゅうのはのんた、捨てるところがないぐらい使い道があるんちゃ。皮と実はもちろん種まで利用できるんじゃよ。」

 

ゆずはいろいろ使い道がありますが、今日は種を使った化粧水を紹介します。

 

まず、ゆずの果実から種を取ります。種は一度洗って干します。25度の焼酎一合に、一合の種を入れます。あとは、二週間ねかせれば化粧水として利用できます。

 

また、洗って干さずに、果実から取った種をそのまま焼酎につけてます。どちらの方法も種の量はお好みで、傷や肌荒れに効きますよ。

 

また、ゆずのしぼり汁は、長期間おいておくと表面におりがでます。冷蔵庫で保管するといつまでも使えます。